とある日曜日。
ミサの受付当番で、8時には教会に行かねばならなかった。
でも、あれこれしていたら時間ギリギリで、ええい仕方ないと大きな通りに出て、タクシーをつかまえることにした。
ところが、なかなかタクシーが通らず、やっと見つけてもお客さんが乗車中、というのを何度か繰り返し、もしやタクシーでも間に合わなくなるかも、と思ったあたりで、やっと空車タクシーが止まってくれた。
行き先を告げた後、運転手さんに「なかなかタクシーが来なかったので、よかったです」と言ったところから、会話が始まった。
運転手さん:最近、タクシーの台数が減っているんですよね。
私:へえ、どうしてですか?
運:再雇用で70歳まで働いた人たちがちょうど退職する時期なんですけど、そこがボリュームゾーンですからね。あと、今の時間帯は、夜勤と日勤の運転手が交代する時間帯だから、あまり走ってなかったのかもしれないですね。
私:なるほどー、そっか、そうなんですね~。
タクシーが見つかった安心と嬉しさで、ちょっとオーバーリアクション気味な私と、それに気をよくした運転手さんの会話は続く。
運:お客さんの方の景気はどうですか?お仕事、何されてるんです?
私:お弁当作りしてるんですけど、日によってけっこう違いますねー。
運:へえ、お弁当作りですか。
私:はい、始めて半年くらいなんですけど、けっこう大変で、最初は8時間勤務のシフトだったけど、今は6時間に減らしたりとかしてるんです。
運:あれですか、体力の限界っ、てやつですか。
私:はは、千代の富士ね。
運:そうそう、わかってますねー。
私:私、51歳だし、バリバリわかります。
運:お客さん、51歳ですか。私と10歳違いですね。
私:というと、60歳…あ、いや、40歳ですか?
運:いやいや、「40歳」のほうを先に言わなくちゃ!
私:すみません(笑)
運:あの、お子さんはいるんですか?
私:(出た、ザ・昭和クエスチョン!)えっと、いません。
運:え、いないんですか?お客さん、元気だからいるかと思ったよ。
私:いやいやいやいや、どういうことですか?子供いなかったら元気がない、とでも?子供いなくても元気です!(笑)
運:(笑)
運転手さんの口調がどんどんくだけてきて、話の流れで私の仕事場とかお店の名前も教えたりして、車内がほぼススキノのスナックになったあたりで、教会に到着。
私:門の中には入らなくて大丈夫なので、信号越えたところで止めてください。
運:はい…あのー、教会っていうことはもしかしてお客さんも…?
私:あ、はい、クリスチャンです。
運:はー、そうですか。
私:こんど教会に遊びに来てください(笑)
運:いや、私は違うんで…
私:信者じゃなくても入れるんですよ。
運:え、そうなんですか。
私:はい、ぜひ今度どうぞー(にっこり)
運:…あの、お客さんのお名前は?
私:…はい?私の?私の名前を言うんですか?(にわかに不審感)
運:あれですよね、キリスト教の名前、ありますよね。
私:え?…ああ!なんだ、クリスチャンネームですか?(ホッ、よかった)…○○です。
運転手さんは、はー、○○ですか~、と反芻していたけど、あれはきっと源氏名みたいなノリで受け止められたんだろうな。
私は私で、タクシー代金1300円のところ、お釣りは結構です、と1500円を渡しつつ、なんとなく献金するような気持ちになる。
教会に到着したら、集合時間は8時ではなく8時半で、つまり私はタクシーに乗る必要は全然なかったのだけれど、これもきっと、タクシーの運転手さんに伝道せよ、という神の思し召しだったのであろう。
この運転手さんが教会に来て、私にご指名が入ったら伝道成功だな、と思う私であった。
![]() |
| 夫の実家の本棚からもらってきた聖書コミック |
ゆらりゆらり雪降る灰の水曜日VAPEの薫りをたどりてミサへ

0 件のコメント:
コメントを投稿
※※※コメントは承認後に公開されます。非公開を希望の方はその旨お知らせください※※※