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2025/08/01

バーバパパが金色になる日

ひさびさの彫金教室、今回は「アルミのアイスクリームスプーン作り」である。
パートの休みがちょうど重なったので、アルミという素材にとくに思い入れはなかったけれど、とりあえず申し込んでみた。

当日、家を出る直前に思いたって老眼鏡をかばんに突っ込み、時間ギリギリで教室に到着。
(ちなみにこの老眼鏡、最近買った人生初の度入りメガネで、たまにかけてみては「メガネをかけるとよく見える」を新鮮に味わっている。)

ひさしぶりの作業台に座り、糸鋸でぶ厚めのアルミ板を切り抜くところからスタート。
先生の見本はあるが好きなデザインでOKとのこと、見本スプーンをベースに、持ち手長めなデザインに決める。

今回も、鋸は押して切る?引いて切る?を思い出すところからスタート。
汗だくになって切り抜いてみたけれど、出来上がってみれば、どこか歪んだかたち。
これは…バーバパパだ!

バーバパパをスプーンに変身させるべく、叩いてのばして整形し、持ち手部分は先生にたっぷり手伝ってもらうと、先生のかっちりした仕上げと、私のゆるい立ち上がりが相まって、これまたバーバパパみを増す、すてきなアシメントリーのスプーンが出来上がった。

右:切り抜き後のバーバパパ
左:右側の先生仕上げのキレに対して、左はゆるく仕上げました(わざと!)

作業の合間に先生たちとおしゃべりしていて、そういえばアルミのアクセサリーがないのはどうして?と聞いたら、「安っぽいイメージのせいでマイナーだけどアルミのアクセサリーもあるんだよ」とのこと。
さらに、金は最近ますます高騰してるけど昔はもっと安かった、という話にもなる。

アルミニウムもアクセサリーとしてアリだし、大好きな真鍮と組み合わせても楽しそう。
それに、いっときは金よりも高価だったという話もおもしろい。
そんなことを思っていた矢先、核融合の副産物として金を生成する技術が開発されたというニュースが飛び込んできた。
(とりあえず専門っぽいリンクを貼っておきます)

このニュース、現代の知的世界に錬金術を翻訳したユングの生誕150年を記念する2025年に、まさにうってつけの話題ではないか。
私ではとてもその含蓄を説明しきれないけれど、さしあたりの感想としては、今は高すぎて彫金あそびできない金も、もう少し待てば手の届く素材になるのかもしれない。
そんなことを考えているうちに、アルケミストの血が静かに騒ぐのであった。

※彫金の先生のブログ

※先生のインスタグラムはこちら
写真左上が私のバーバパパ、2ページ目の動画は私on老眼鏡(笑)




可惜夜(あたらよ)にバニラアイスをひとすくいアルミニウムを伝う冷たさ


2024/11/02

LOVE LOVE LOVE

 
ねぇどうしてすごく愛してる人に愛してると言うだけで ルルルルル涙が出ちゃうんだろう...

DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」 

涙が出るかどうかはともかくとして、そして「愛してる」はやはりどこかしっくりこない言葉だとしても、それでも、「すき」や「だいすき」を相手に面と向かって言う時には、なにかしらグッとくるものがあるのは確かだ。
どうしてなんだろう。

札幌に新しく(とはいえ設立は2018年だからもう6年前)誕生した「さっぽろ創生スクエア」は、できたばかりの頃、ONちゃんが挟まっているのが可愛くて、近くの交差点から写真を撮った記憶があるものの、頻繁に足を運ぶようになったのはごく最近だ。

私が主に利用するのは「図書・情報館」で、新しい施設だからキレイなのはもちろんのこと、閲覧室で飲み物OK(一部エリアは飲食可)なのがうれしい。
いままでは、少し離れた地下街の大通カウンターで予約した本を受け取っていたのが、この図書・情報館で受け取れば、その場で借りた本が読めるし、イマイチだったらすぐ返すこともできて、すごく便利だということがわかった。
家から歩いて20分、ちょうどいい運動にもなるし、たくさん本を予約した時は自転車を使う(直結の駐輪場が料金100円。それにしても最近、札幌中心部の自転車利用は肩身が狭くて仕方ない)。

この日は歩いて来館し、借りた本3冊をパラパラ眺めてみたり(ぜんぶアタリ)、館内の映像が面白かったので、係の人に許可をとり動画を撮ってみたり、なんだかゴキゲンだった。
そして、次の目的地に向かおうかなと思ったところで、隣のギャラリーで展示会をやっているのに気がついた。

「第8回 グルッペ空展」

グルッペ・・・Gruppe、「グループ」を意味するドイツ語だ。
カタカナがなんだかちょっと可愛いなと思いつつ会場を覗いてみると、木彫、絵画、陶器、刺繍、いろいろな作品が並んでいる。
ちょうど係の人が席を外しているようだったので、面白半分に中へ入ってみた。

じっくりみてまわると、どの作品にも個性と味わいがあり、なんだか作家さんの人柄まで伝わるようで、じんわり楽しくなってくる。
ひとまわりして入口に戻ったタイミングで、係の人が戻ってきたので、入口すぐの場所にあった木彫りの仏像について、どうしても気になったことを聞いてみた。

それをきっかけに、ご自身の作品も案内してもらう。
すると、その方の名字が、私が中学生の頃に好きだった子と同じだということがわかる。

年をとってよかったなと思うのは、こういうときに図々しいかな、とか、恥ずかしいかも、とか考えずに、思いや考えをすぐ口に出せるようになったことで、私は、「あの、もしかして(私の出身地である)岩手にご親戚とかはいませんか?」と聞いてしまう。

その方が「?」と戸惑い顔になったので、「いや、実は中学生の頃に好きだった子が「〇〇」という名字だったんです」と告白する私。

話しているうちに、その方のお父様の出身地が私の父の出身地に近いことが分かり、やっぱり、と盛り上がったりして、私はなんだか35年越しの告白ができたようでうれしくなって、グッとくる。

帰り際に芳名帳に名前と住所を書き、ついでにこのブログとドイツ語レッスンの宣伝もしたら(図々しい…)、差し入れでもらったのだからと、お菓子をいただいてしまった。

あの頃の私が、今日の私を見たら、なんて思うだろう。
よく伝えられたね、と褒めてほしいな、と思ったりする。

ドリカムの歌にも、この歌が主題歌のドラマにも、それぞれに当時の私や友人たちの愛とか恋とかにまつわる思い出が、ふわふわと漂う。
このPVはたぶん初めて観るけど、3人時代のドリカムにグッとくる。 



音楽に愛されている君が歌うスピーカーから秋が始まる



2024/02/17

シマエナガ商法

急にある生き物がチヤホヤされることがある。

私が学生の頃は「クリオネ」だった。
何を隠そう、私が初めて持った携帯電話はクリオネのイラスト入りで、会うひとごとに自慢したものだ。

目下のところ、北海道のおみやげ市場を席巻しているのは「シマエナガ」である。
白くて小さくてふわふわな、小首をかしげたアイツが至るところでこちらを見ている。
数年前から徐々におみやげ売り場を侵食し始め、私の勤める大学でも、ふと気づけば一連のシマエナガグッズを展開している。

たしかにヤツらはかわいい。
かわいいけど、あざとい、という印象は否めない。
でも、あざといなと思いつつも、つい大学のロゴ入りシマエナガ付箋に手が伸びてしまう。
シマエナガ商法だ。
わかっていながら、手を出さずにいられない。

・・・

数日前、変な時間に目が覚めてしまい、ネットをさまよっていると、先日切り抜いた「辰さん」の先生によるワークショップのお知らせが目に入る。
今回のワークショップは、あらかじめ切り抜かれた真鍮板を叩いて仕上げるというもの。
その真鍮板の「カタチ」のなかに、アイツがいた。

朝4時に人生初のインスタDMを送ってワークショップに申し込み、地下鉄とバスを乗り継いで、初めて訪れるカフェへ。
まずは美味しく健康的なランチをいただいて、身も心も準備万端、いざ作業台に向かう。

前回は糸鋸と格闘してヘロヘロになったけど、今回はタガネで叩くだけだし簡単かな、と思っていたら、いやいやどうして、なかなか奥深い。
角度や強さを調整しながら、無垢な瞳で見つめるアイツをトントン叩く背徳感。

槌目をつけていくと板がどんどん反っていくので、それを裏から木槌で叩いて平らにする。
ひととおりいい感じで槌目がついたところで、真ん中がくぼんだ木型を使って、おなかまわりの丸みを出してゆく。

今回はブローチに仕上げてもらって、プレゼントする母のイニシャルも入れてもらう。
(ちなみに母は、昨年札幌に遊びに来る予定があり、ホテルの希望を聞いたら、「シマエナガルームがいい!」と言うので予約したものの、けっきょくコロナでキャンセルになったのだった。)

こうして出来上がったアイツことシマエナガちゃんは、質感、重み、そして無垢な瞳、どれをとってもカワイイとしか言えない。
いやほんと、かわいすぎる。

ワックスをかけて、つやつやになったアイツ

辰さんと並んでツーショット

森の仲間たち





朝まだき積もれる雪はふかふかと心に棲まう子ら飛び跳ねる


2023/12/14

Dragon's Head

コロナがあったり病気があったりで、ずいぶん間が空いてしまった彫金教室。
カレンダーで調べてみたら、どうやら3年ぶりだったみたい。

今回は、彫金の先生から、糸鋸を使って干支の「辰」を切り抜く、という特別セミナーのお知らせLINEがあって、そのお手本の写真に釘付けになってしまったのだ。
でも、糸鋸にはあまり良い思い出がないし、翌日は仕事のイベントだし、初コロナから復帰したばかりだし・・・と、うんうん悩んだ末に、前日になってもラスト1つの空席があったので、思い切って申し込んでみたのだった。

セミナーでは、先生が予め用意してくれた下絵を真鍮の板に貼り付け、糸鋸を使って下絵の通りにひたすら切り抜いていく。
私は、糸鋸を押して切るのか引いて切るのかすら覚えておらず(引いて切る、が正解)、それでも、糸鋸はなるべく立てて、とか、切る時は刃の全体を使って、とか、先生のアドバイスに従っているうちに、だんだん切るスピードが早くなって、ちょっと楽しい。

先生にお手本を見せてもらいながら、こんなカーブは無理でしょ、とか、こんな細かいところどうやって切り抜くの、とか、自分で切る前はとにかく信じられなかったけれど、切り始めると、驚くことに、どうにかこうにか切れている。
けっこうできるなあ、と思うやいなや刃を折ってしまい、うぎゃー!と叫ぶ、というくだりを何度も繰り返しながら、予定時間も大幅にオーバーして、なんとか最後まで切り抜いた。

もちろん、先生の美しすぎる曲線にははるかに及ばないけれど、それでもちゃんとお手本の面影は残っている気がする。
それにしても、出来上がった作品を見ても、これを私が自分で糸鋸で切り抜いたなんて、ちょっと信じられない。

右側が先生のお手本(一目瞭然)


家に帰って、ケバケバとかガタガタとかを紙やすりにかける。
そうそう、こういう磨きの作業が彫金の醍醐味のひとつだよな、と思い出す。
さあて、どこに飾ろうかな、とまわりを見渡すと、うってつけの場所があるではないか。


心なしか「辰さん」もうれしそう



夜もすがら磨き上げたる真鍮は愚者なる我のまほうのゆびわ




2019/04/07

「僕らに間違いなんかないよ。あるのはハッピーなアクシデントさ。」

彫金教室のつづきである。
前回は手持ちの指輪を解体して、石を取り出し、石をのせる枠を作るところまで。
それから悪戦苦闘で指輪の土台を完成させて、ブラシでの磨きは宿題で、手でできるところまで磨いたものを教室にある研磨機で磨く。
真鍮をピカピカに磨いた金色に、おもわず「ふわぁぁ」と声が出る。
石をはめて、フチを慎重に叩いて石を留めたら、できあがり。

土台がなんとか完成し・・・
ワイヤーブラシで磨いて・・・
石を載せてみる。この段階ではまだ固定されていません。
これで完成!石もちゃんと留まってます。
裏側は無骨に仕上げました(と、言っておこう)。

 先生のインスタグラムにも載せてもらって、うれしい。わーい。

去年の今頃は、職場が変わったこともあって、余裕があるつもりでもいろいろストレスだったらしく、連休あたりにぎっくり腰になってしまった。
だから今年は、彫金もそうだけど、自分の好きなことをしたり、好きなものを身の回りにおいたりして、ストレスの芽を摘んでいこうと思っている。

いや、ていうか、いつも自分の好きほうだいしてるじゃん?
・・・という声が聞こえなくもないけど、それはともかく、そういうわけで、ボブである。
『ボブの絵画教室』のボブである。
ボブが微笑むマグカップを、仕事場デスクに新規導入、ここぞ、という時になぐさめてもらいながら、新年度を迎えるのである。

お湯が入る前のボブ・・・
お湯が入りつつあるボブ・・・
満タンだと飲めないのでストップ・・・
「僕らに間違いなんかないよ。あるのはハッピーなアクシデントさ。」


2019/02/02

古き葡萄酒を新しき革袋に

私のはじめての趣味は―と言っても、その当時「趣味」なんて言葉を知っていたかどうかもあやしいけれど―「石あつめ」と「石みがき」だった。

父に車で川原に連れて行ってもらって、いい感じの石を集め、持ち帰って紙やすりで磨く。
低学年の頃だと思うが、石にかかわるその一連のプロセスにすっかりハマってしまったのだ。
石集めに関する子供向け指南書(題名はたしか『石あつめ』)も買ってもらって、愛読していた。
集めた石の中でも、模様(インクルージョン?)の入った白く半透明な石が特に気に入り、ヒマさえあれば磨く、という時期がしばし続いたのを覚えている。

いつしか石あつめも石みがきもしなくなったけれど、熱がすっかり冷めたわけではなかった。
アクセサリーを身につけるようになり、石のうつくしさにあらためて気がつく。
コレクターではないし、値段も安いものばかりだけれど、好きな石を身につけるのはなんとなく気分がいい。
そういう状態が、かれこれ20年ほど続いているだろうか。

そうこうするうちに、私の好みも変化してくる。
アクセサリーをおぼえたての頃はシルバーばかりだったのが、いまではもうシルバーを身に着けたいとは思うことはなくなった。
それで、お気に入りだった2つのシルバーリング、おおぶりなラブラドライトとブルームーンストーンをのせたリングも出番がなくなってしまった。
どちらも素敵な石なので、なんとかならないものかと思い、アクセサリー屋さんに持って行って、リフォームするとしたらいくらになるか聞いてみたら、うん、ちょっと高すぎる。

無理をしてもリフォームするか、それともインターネットでもっと安くやってくれるところを探すか、迷っていたところで、いい場所を見つけた。
それは、手頃な値段で彫金を教えてもらえる彫金教室であると同時に、アクセサリーの販売やリフォームをするお店でもあり、ここなら、リフォームもそれほど高くなさそうだし、あわよくば自分でリフォームできるかも?
思い立ったらいてもたってもいられず、彫金教室の予約を入れた。

「初めてなら、シルバーのバングルはどうですか」と先生に聞かれて、できればゴールドのリングがいいんですけど、初心者には難しいですか?と聞き返すと、本物の金は高価なので失敗できませんが、真鍮なら大丈夫ですよ、というので、さっそく真鍮リングづくりに挑戦。
真鍮のワイヤーを針金で切って、バーナーで柔らかくして、ねじって、リング状に丸めて、ろう付けして、磨いて・・・2時間で、人差し指用と小指用のリング2つができた。
おおこれは、ひさしぶりになんとも胸がときめく。

帰り際、「じつはリフォームしたい指輪があるんですけど」と持参した上述のシルバーリングを先生に見せると、「あ、じゃあ自分でリフォームしてみます?」「え?できますか?」「時間がかかってもいいなら、ぜんぜんできますよー。どんなデザインがいいか考えてきてくださいね」とのことだったので、もうそれはぜひ、ということで、次の予約をいれる。

それから2週間の海外出張を挟んで、彫金教室2回め。
まずは、ブルームーンストーンのシルバーリングをリフォームすることに。
なにはともあれ、リングから石を外さなくてはならない。
糸のこぎりでリングを切り、台座も慎重に切ってゆく。
先生に手伝ってもらって石が外れると、透きとおるブルーがふるえるよう。
その後は、石に沿うように枠をつくって、端をヤスリがけしたら、板状の真鍮をろう付けして、あっというまに2時間が過ぎ、本日はここまで。

のこぎりやバーナーなど、ほとんど使ったことのない道具を使うのはけっこうドキドキするけれど、やすりがけはかつての「石みがき」を彷彿とさせて、えもいわれぬ楽しさがある。
なんといっても、自分の好きな石を使って、自分の手で、自分のアクセサリーが作れるなんて。
もしかして私、昔からの趣味をかかえて、新しい趣味の世界に足を踏み入れてしまったのかもしれない。

次の予約は2週間後。私はどこまで行けるだろう?


こちらが最初の作品ふたつ、左が人差し指用、右が小指用。
左はギリギリまで、右は緩くねじっている。
右の一番奥にろう付けの跡が見える(←ヘタ)。

こちらはもっか製作中。
左がもとのリング、糸のこで切って石を取り出した残骸。
次回は枠部分をくり抜き、リング部分を作る予定(わくわく)。