3年前に札幌に戻ってから、仕事で飛行機に乗ることが多くなった。
生まれて初めて飛行機に乗ったのは、大学受験の下見のとき。
花巻―新千歳間のJAS機で、それはもう、とんでもなく怖かったことをおぼえている。
それ以来、何度となく飛行機に乗り、それに反比例して恐怖心は和らいだ・・・
はずだったのに、しばらく前から、またむくむくと恐怖心がわいてくるようになった。
頻繁に飛行機に乗るようになり、その恐怖心が無視できないほど明らかでくり返すたぐいのそれであることを自覚してからというもの、どうやって克服したらいいのか考えていた。
「飛行機恐怖症」で検索すると、体験談や航空会社のサイトなどで、その傾向と対策がヒットする。
(ちなみに、私がじっくり読んだのは「飛行機恐怖症を克服する方法」のまとめサイト。)
それらに書かれている内容をふまえて、飛行機に乗るたびに自分のようすを観察してみた。
私の場合、離陸してからシートベルトサインが消えるあたりまでが恐怖のピークで、それを超えると、少しくらいの揺れならば大丈夫らしい。
離陸の時、自分の体に感じる圧が、物理的に恐怖心を増幅させるのかもしれない。
上昇中の飛行機の中でそんなことを考えながら、座席の手すりにしがみつく私、でもその傍らで、まわりのお客さんはけっこうな確率で眠っている。
それどころか、ある知人は「離陸の時"だけ"眠くなり、いつも寝てしまう」そうで、うらやましいことこの上ない。
ともあれ、こうして情報収集と自己分析をしてみても、まだ恐怖心はなくならない。
そこで、なにか気を紛らわすことができるものを探してみようと、好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、メールを書いたり、あれこれ試してみた。
その結果、一番効果があったのが、「Kindleでマンガを読む」だったのである。
去年の誕生日にもらったKindleは、しばらくの間、ベッドのなかの読書か、どうにもやる気が起きないような日に無料コンテンツを読むための機械、のようになっていた。
とはいえ、無料でもいろいろなマンガが読めたりして、ひさしぶりにマンガ熱がよみがえりつつもあった。
そこで、これを機に「飛行機に乗るときには新しいマンガを買ってもいい」という自分ルールを運用してみたのだ。
最初に試したフライト用Kindleマンガは中村光『聖☆おにいさん』。
最初の3巻は無料版で持っていたので、続きの第4巻から第8巻まで、4冊を飛行機に乗る前日に購入、ダウンロードしておいた。
飛行機に乗って席につくと、おもむろにKindleを取り出し、フライトモードで読み始める。
離陸準備から離陸、シートベルトサインの消灯までの間に、数冊分を読み終える。
これはいける。
ぐらぐら揺れるとさすがにちょっと怖いけれど、それでも何も手につかないほどの恐怖心はなくなった。
シートベルトサインが消えたら、マンガはオフにして、仕事をしたり勉強の本を読んだりすることもできる。
それ以来、飛行機に乗るたびに、自分にゴーサインを出してKindleマンガを買っている。
『聖☆おにいさん』の次は、二ノ宮知子シリーズ。
『七つ屋志のぶの宝石匣』、『GREEN』、『天才ファミリー・カンパニー』、そしてついに先日(というか昨日)『のだめカンタービレ』全巻の購入にいたったのである。
あら?私ったら、そんなに出張していたかしら?
・・・いや、してないね。明らかに出張<マンガになってるね。
でも、これも飛行機恐怖症の"治療"の一環なのだ。そうだそうだ。
次の出張では、名古屋出張(『天才ファミリー・カンパニー』でのりきった)のときに、友人に熱くオススメされた『はたらけケンタウロス』を読んでみようかな、と思っている。
飛ぶ船にふたりは眠る長き午後ま白き山の夢のまにまに
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