2013/04/01

Frohe Ostern


イースターの日曜日。札幌の雪もどんどん溶けて、春の匂いがする。

ドイツにいる友人に、「イースターおめでとう」のメールを書いた。
彼女は敬虔なカトリックだ。
ベネディクト16世が退位を発表した時も、新しい教皇が誕生した時も、新教皇に関するさまざまな記事を読むたびに、わたしは彼女のことを考えた。
このニュースについて、彼女はどう考えているのかな。

新しい教皇がその名を「フランシスコ」と決めたことは、ちょっとした驚きだった。
私の卒論のテーマが、まさに「アッシジの聖フランチェスコ」だったからだ。
さまざまな伝記や映画で描かれてきた聖人だけに、その名をもつ教皇がこれまで存在しなかったということには、さらに驚いた。

去年の夏に観た『ローマ法王の休日』という映画をいまあらためて思い返す。
日本語のタイトルや宣伝から連想されるほのぼの癒し系のイメージとは全く違う、でもすごく興味深い映画だった。

ローマ教皇に選ばれた主人公が、就任演説を前にして逃げ出すところから始まるその物語は、現在のローマ・カトリック教会に対する真摯な批判に満ちている。

バスの中で就任演説の練習をする主人公は、「過去の過ちを認め、教会が変わること」について語る。
あるいは逃げ出した主人公とその代役を務める衛兵が、それぞれ路上とバチカンで、偶然同じ音楽を聴く場面がある。
「変わらなくちゃ。変われるんだ」とその歌は唄う、「でもあなたへの愛は変わらない」。
バチカンでは、枢機卿たちがその歌に手拍子しながらダンスするのだ。

そして映画はラストシーンを迎える。
この場面を描くために、この場面が見たくて、この映画はつくられたのだと私は思う。
これはカトリック教徒による、あるいは自分が属する集団への内側からの批判として、つくられた映画だ。
それは切実な批判であり、だからこそ痛切な願いでもある。

今までのニュースを読むかぎりでは、教会に向けられた批判や願いに対して、新たな教皇はその名にふさわしくこたえようとしているのではないか、と思う。
私はそう思うのだけれど、どう思う?と、わたしは彼女にメールで聞いてみた。
彼女は、どんな返事をくれるだろう。


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